キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「お姉ちゃん、おはよう。」

携帯から流れる音楽に、無意識のまま取る。

……………お姉ちゃん??

…………………おはよう????

………………お姉ちゃん…………おはよう?!

バッ!と起き上がると

さっき、ベッドに横たわる前に見た明るさは無くなり…………

真っ暗な空に浮かぶお月様と

街の灯りが窓一面に広がっていた。

………………………悠君。

慌ててベッドから降りると

まだ繋がっていた携帯から

「用意が出来たら隣に来てね。
病院に送るから。」と尋ちゃんの声が聞こえた。

………………失敗しちゃったぁ~

半泣きの状態で支度を済ませ

急いで隣に向かう。



ピンポンピンポン!!

ベルののんびりした音にさえ焦りながら

尋ちゃんが出るのを待つと。

「起きたみたいだね。
お兄ちゃんが『疲れてるから寝れるだけ寝かせて』って言ったの。
うん、いい顔色になった!
これなら大丈夫。
待ってるから………行こう!」って手を引かれて

病院に向かったの。
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