キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「結婚式だけど…………
式場いっぱい………出来るなら二人の身近な人たちで
いっぱいに出来ないだろうか?」

…………………???

あれっ?

なんだか話しがずれてない?

二人って…………誰??

お父さんとお母さんじゃないし………

お父さんとあの人っていうのも………おかしいよね??

唯たちでもないし……

だって、幼稚園の人たちだけでもいっぱいだもん。

………………………誰??

はてなマークいっぱいの唯とは違い

直ぐにピンときた先生は。

「それなら既に手を打ってます。
出来るなら学校関係者をと…………。」

学校関係者??

……………………………………?!

尋ちゃん!!

「ねぇ!
尋ちゃん!?」

唯の笑顔に

「やっと気づいた?」と笑う先生。

あっ、そうかぁ。

学生結婚で高校から付き合っていた二人は

『こっそり
祝福してくれる人たちだけ来てもらって式をあげる。』って言ってた。

けど………

ホントは、みんなに祝福されて結婚したいよね?

お父さん………………。

自分の事ばかり考えてたのかって

あの人が来てから思ってた。

でも…………ホントは尋ちゃんの幸せを考えてくれていた。

「お父さぁ~ん……………………」

ポロポロ泣く唯を見て

「相変わらずだなぁ。
悠人君、大変だけどよろしくな。」と笑い

先生も

「もう慣れっこです。
嬉し涙は、いっぱい流させてます。」って

やっぱり笑ってる。

「今日は、私一人でお願いに来たが。
これはお母さんと話してた事なんだ。
辛い思いを沢山させた千尋に………
結婚式くらいは親として笑顔が見たいからな。
こんな事頼めるのは………悠人君だけで。
自分達も忙しい時に申し訳ないけど………
お願いに来たんだ。」と
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