キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「泊まって下さい。」と誘う先生に

「嫌、ここはもう二人の家だから。
二人が結婚式を挙げたら、泊まりに来させて貰うよ。
………………悠人君。
ホントにありがとう。
この家の事も………………
全てに感謝しているよ。」

先生に頭を下げて、来た時と同じように慌ただしく帰って行った。

「お父さん……………やっぱりすごい人だよなぁ。
釘を刺されちゃった。」

「釘?」

「うん、釘。
『結婚式を挙げたら泊まる』って言われただろう?
あれって
『式を挙げるまでは、自分の娘だから手を出すな』って事。
キスしてたの……………
やっぱりバレたかな?」

えっ!?

お父さんにキスしてた事バレちゃったの?!

焦る唯に

「もうお父さん、帰って来ないから
さっきの続きする?って。」

もぅ~

するわけないでしょう!

お父さんに分かっちゃったの??

どうしよう~

『別にそこまで清い関係だとは思ってないのに。
………………可愛い!』

先生がそんな風に思ってるなんて知らない唯は

動物園のクマのように

部屋の中をウラウラ歩いていた。
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