【BL】綺麗な君。
「はーい皆、注目」

ぱんぱんと手を叩きながら入ってきた小太りの男、うちの課長だ。

皆がばらばらと課長の方を見る。

「えー、いくつか企画を持ってきた、やってもらう人の所に今から行くかから任せられた人は頑張るように」

そう言って、何人かに企画書を渡していく。
暫くして俺の所にも課長が来た。

「……次が…はい、これは青木くんと、山田くんのふたりででやってもらうから、頼んだぞ」

そう言いながら書類を渡された。

「分かりました」

受け取った書類を軽く見る。

あーなるほどな、これを山田さんと一緒に……山田?
はっとし書類から目を離す。

課長が山田さんを呼ぶ。

「これが今回の企画書だ、優秀な青木くんと一緒だからしっかりやるんだぞ?」
「は、い…分かりました」

山田って、やっぱりあの山田さんかぁ…
あーまじかよ、こんな人と仕事とか…最悪。

とは言えそんな事は言ってなれないし、大事な企画だからちゃんとやらないと。

「よろしく、山田…明人さんだよね?」

にこっと爽やかに笑って話しかける。
一緒に企画をするパートナーだし、仲良くしておかないと。

「あ…はい、そうです…! 明るい人と書いて明人、でも全然明るく無いんですけどね」

頭を軽くかきながらへらっと笑う。

「俺は青木侑也、よろしく山田さん」

そう言いながら握手を求める。

あ、握手なんて営業っぽいし、同じ会社の人とするとか変か? なんて考えてたら強ばった笑顔で照れながら握手を返してくれた。


そんなに緊張しなくても。


取り敢えず挨拶を済ませ、また明日話し合おうと言う事で、メール交換をする。

山田さんは常にへらっと笑ってて、なんだか見ててイライラした。
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