【BL】綺麗な君。

か細い声で

side_明人


コンビニで買ったパンを鞄に詰め込みながら出勤したら、会社の自販機でカフェオレを買う。
僕は苦いものが苦手だから、ブラックコーヒーを飲んでる人を見ると少し羨ましい。

勢いよく落ちてきた冷たいカフェオレを手に取って鞄にしまおうしていたら、背後から声をかけられた。

「あ、明人さんおはようございまーす」

突然の挨拶に少し驚きながら、もごもごと挨拶を返す。

「お、おはようございます」

挨拶をしてくれたその人はにこっと笑って通り過ぎて行った。

ここの人は、こんな僕にでも挨拶をしてくれる。
普通僕みたいなおどおどした奴なんかは、嫌われたりするものだと思っていたけど…

ふぅ、と息を吐く。

今日も頑張るぞ と、誰にも聞こえないように呟いてから自分の仕事場に向かった。