瀧のライフ
再出発の日
帰宅すると、瀧「免許の手紙きてた!」港「ほぉ!意見の聴聞会か?」港「出席すると、もしかしたら軽減されるかもな」瀧「免許取り消し対象者!」出席にマルを付けて返送した。港「聴聞会か!懐かしいな、オレも速度違反で免停90日受けた時、行ってきたの思い出した。まぁ!軽減無しだったけどな!」亜衣「父さん、免停受けたことあるんだ?」港「3回で、最後の免停から5年経ってない!」亜衣「は!親子そろって、ワルやん!」15日、文夫が訪ねてきた、慌てた様子で家裁からの呼び出し状を見せてきた。瀧「文夫さん、来月5日に審判やん!」どうやら決定が下るようだ、文夫「オレ、まさか年少行きかも?」瀧「なわけないやん!年少行く場合は絶対鑑別所で3週間以上かけて心身鑑別受けてからの移送になるからそういう運用になってる、1回目の審判で決定言い渡しだから重くて保護観察だよ!法定刑が罰金のみだから逆送の対象外だし」文夫「保護観もちょっと」瀧「大丈夫!普通に生活するだけだから何も怖くない」瀧「2人仲良く保護観受けようよ!まぁ冗談だけどね」文夫「森崎!」瀧「やらかしたことはしょうがない!自分のしたことは例え未成年でも責任を取るだけ」瀧「そんな覚悟もないなら悪いことしないのが一番、だからオレみたいに審判でソワソワしてビクビクするハメになる!」文夫「そうだな!森崎って天然だもんな」瀧「まぁね!オレ馬鹿だし!」瀧「文夫さん初犯なんだから不処分で終わりじゃない、都迷惑防止条例違反なんて罰金刑のみだし」高校が夏休みに入った。しかしオレは1ヶ月以上捕まっていて出席日数不足だったので20日間は登校することになった、夏休みの平日は学校に行き夕方から2人に勉強を教える日々が続いていた、8月1日、瀧「今日はテストやるから」田中「マジ!」鈴木「テストかよ!」2日間かけてテストを行い、3日にオレは採点していた。田中が150点、鈴木が151点だった。ここ2ヶ月弱で点数が倍になっていたことにオレは手応えを感じていたが、2人は不満な様子だった、田中「あれだけ勉強したのに、分からないこと多い」鈴木「そうだ!なんでだよ、オレ何一つ長所なんかない」田中「森崎はバカの気持ちなんてわからないよなぁ!」と投げやりな態度になっていた、駆け付けた両親にも反抗していたが、オレは2人と自分の鑑別所での心身鑑別の結果表を2人に見せて、瀧「確かに2人ともIQはオレの半分しかないけど、I.Qやペーパーテストが全てじゃない、精神年齢見てみろ?」とオレは強い口調で言った。田中「オレは普通」鈴木「オレも普通だ」瀧「普通ってことは年相応ってコトだ」瀧「オレ、森崎のはいくつだ!」田中「発達遅延あり」鈴木「マジで!まさか」瀧「オレさ学力あったから自分で意識してなかったし2人にはまだ話してなかったな、オレ発達障害抱えてるんだよ!」2人は驚いていた。瀧「考えてみりゃあ!進学校の生徒が暴走行為なんかするわけないだろ、その前にも免停2回受けてさ、どんだけアホなんだよ!」田中「あの事件は森崎、騙されてはめられたんじゃあ!」瀧「あんな単純なワナ、普通の人間ならかからないよ」瀧「オレの事件、普通なら不処分で終わる事件だよ、なんで長期の保護観察受けたと思う?オレは精神的にも自分で立ち直る力がないと家裁が判断したから専門家の指導が必要だからさ、だけど君たちは違う、そこではオレのほうが負けてる、謙遜するなよ、オレの方が未熟だからさ、たかが2ヶ月勉強したぐらいでできることは知れてる、そんな甘いならみんな東大行ける」田中「そうだな」鈴木「森崎のいう通りだな」瀧「オレより思考も考え方も大人なんだから」鈴木「明日、森崎んち行っていい?」田中「オレも!」翌日午前、2人がオレの自宅に訪ねてきた、月曜日、文夫は東京家裁に両親と出廷していた。森崎の事件より法定刑が軽い50万円以下の罰金のみだが、オレは1度も鑑別所に行っていないこと今回で決定が出ることから実務上は少年院送致はないとわかっていたが森崎の件もあってか保護観察も覚悟していたが。意外にもオレに下された決定は不処分だった。どうやら初犯だったコト高校にきちんと通学していることが考慮されたようだった。