放課後の続き
ただひとつの誤算は…………………

誠次が、夏苗ちゃんの本気の恋心を

理解し、受け止めなかったことだ。

彼女は………………

親に、嫌々お稽古ごとを増やされたのではない。

跡を継ぐことを………強制的に強いられた訳ではないのだ。

少なくとも先日のパーティーの彼女は

自分から参加したように感じた。

欲にまみれた大人達の中に積極的に入り

自分に利害の有りそうな人物と、親しくしていた。

だから……………

俺やアイツには、とてもにこやかだったんだ。

誠次と一緒にいた記憶のない。

若い俺に…………………。

仁科グループの御曹司…………仁科貴文の友人………。

『竹内春人』に笑顔を振り撒いていた。
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