放課後の続き
「かな、おいで。」

カップを洗い終わった彼女が、俺の隣に腰を降ろす。

「ねぇ、はぁちゃん。
何かあった?」

空気の読める彼女は、俺の緊張が分かるようだ。

「あぁ。
あのな、短大………何処にしたいか絞った?」

かなが行きたい大学は、3つある。

どれも県外はもちろんで………

都心の2つは、公立で

後1つは私立大。

私立大の方は、幼稚園からあり実習もそこで沢山出来るらしい。

たぶん、かなはその私立大を考えてる。

だけど………そこはウチの高校と似ていてお嬢様学校だから。

寮も無ければ、みんな自宅からの送り迎え付きだ。

「う~ん。」と言ったきり、黙ってしまう。

「光琳学園に行きたいんじゃないか?」

俺の質問に、ハッと顔を上げ…………

「うん。」と言ったまま、首を落とす。

「行けよ。」

「だって…………何もできないんだもん。
今からじゃあ………一人で暮らすのなんて……無理だよ。」

拗ねて可愛いかなの頭を撫でて。

「お兄ちゃんを、頼りなさい。
お兄ちゃんで、彼氏で………婚約者だぞ。
かなの一番の味方だって、いつも言ってるだろう。」

キョトンとするかなに。

「俺と一緒に住もう。」と……………。
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