放課後の続き
「かな!!」

教室に向かう彼女の名前を呼ぶと。

直ぐ後ろに並んでいた桜ちゃんに

一言二言話をして。

列から外れて、こちらにきた。

「…………………春人さん。
ご無沙汰しています。」

はぁちゃんと呼ばない………一線を引いた会話。

さっき、かなも同じ思いをしていたと感じたことは……………

俺の錯覚だったのか??

そう思わせる声だった。





「これは…………かなの望んだ結末か?
今……………幸せか?」

俺の質問に、顔の表情を変えることなく

「はい。」と力強く答えるかな……………。

だけど。

微かだが…………唇を噛んでいた。

かなのごまかす時の癖だ。

こんなに無理して…………何を抱えてる??

聞きたい言葉は、山ほどあるのに………。

「分かった。
………………元気でな。」

納得したふりをして………………言葉をかける。

ペコリと頭を下げて、列に戻って行ったかな。

冷たかったか?

ごめん。

でも…………

この言葉には、続きがある。

今はまだ、声に出せない言葉。
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