放課後の続き

がむしゃら

「お願いします!」

「あの………………。」

お母さん相手に、毎日何度も…………頭を下げ続けている。

取り合えず、かなの大学を調べる必要があるからだ。

亨に聞けば、直ぐに分かる。

けど…………それだと意味がない。

ご両親が、俺にもう一度かなを託したいと思ってもらわないと…………。

それには『誠心誠意お嬢さんのことを思っています。』と

伝える必要があるのだ。




この日も、かなの家の前に来ていた。

いつものようにベルを押すと

お手伝いさんが顔を出してくれる。

「あの……」

お母さんをお願いしようと声を出す前に。

「どうぞお入り下さい。
奥さまと………それからご主人様もお待ちです。」と

通い始めて1ヶ月で…………

お父さんにも、お逢いできることになった。

…………………ヨシ!

取り合えず一歩だ。

自分を奮い立たせ、応接室に案内されるまま………ついていく。

幾度となくお邪魔した家。

かなと婚約してからは……

お父さんと一緒に、飲んだりもした場所だ。

「失礼します。」

声をかけ、入ろうとした俺は……………

ある人物の登場に

…………………………………固まってしまった。
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