放課後の続き
カフェの扉を開け、入ってきたかなは………

「はぁちゃん………………。」と

小声で呟いたまま………………立ち尽くした。

「よぅ。
久しぶり。
元気だったか?」と俺も、軽い言葉しか出てこなかった。

ウエイトレスさんに「どうぞ。」と促されて席につき

「ご注文は?」の質問に

「カフェオレを2つと日替わりのケーキを。」と答えると………

ようやく、クスリと笑ってくれた。

「相変わらず、甘い物が好きだね。
多岐さんに怒られるよ。」

4ヶ月ぶりのかな。

卒業式の時見た彼女は………

痩せて疲れて見えたが。

目の前の彼女は………

年相応の服装とメイクをして………綺麗だった。

「すっかり、大人になったな。」

素直な俺の感想に照れたのか

「見た目だけね。
中身は、変わってないかな?」とはにかんだ。

穏やかな時間。

あれ程躍起になって捜し………

必死に自宅に通っていた日々が、嘘のようだ。

まるで、2月からそのままここにきたように………

自然に話せ、微笑みあっている。
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