放課後の続き
「ヘェ。
そうなんですね。」と驚き

…………………少しだけ、嬉しそうだった。

「たかとは?」

俺の失礼な質問に

「私が、次男と一緒に家を出てからずっと逢ってないですね。
あちらの家族に、ご迷惑をかけたくないので。
もう、俺のことは…………
忘れてるだろうなって、思ってました。」

「事情を知らない、俺が言うのも………なんですけど。
たかは………
お二人のこと………大切に思っていると思います。
その証拠に…………
俺の同僚で、彼の奥さんに………
ここを教えてもらったから。
気にかけてるんだと思いますよ。」

「ええ、そうですね。
…………………兄貴って………
どんな人です?
年が離れてるから…………ほとんど接点がないままだったので。」

「そうですねぇ~」

そう続けようとしたところで…………

「あぁ!!
はぁちゃん!!!」と

かなの声がした。

苦笑いの俺とマスター。

「ええっ!
はぁちゃんって、マスターと知り合いなの?!
って言うか、どうしてこんなに早くから来てたの??」

酔っぱらいは、声が大きくて困る。

「アホ。
一人だから、カウンターに座ったの。
マスターは、俺に気を使って話しかけてくれたんだよ。
それより未成年、なんで酔っぱらってる?!
お店に迷惑かける前に、そろそろ帰るぞ。」
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