放課後の続き
「そう言えば、覚えてる?
あの日のこと。
はぁちゃんが『眩しいから、サングラス取って』って
言ったんだよね。
カバンの中を、一生懸命探したのに見つからなくて………。
その内、はぁちゃんまで横から手を伸ばしてきて。
一緒に探そうとしたはぁちゃんの手に触れて…………
ドキドキして………
怒ったんだよね。
あれから当分、誰とも手が繋げなくなったんだ。」

懐かしそうに話すかな。

「そうそう。
その後降りて手を繋ごうとしたら
俺の手を、思いっきり振りほどいて…………。
桜ちゃんの手を繋ごうとしたんだよなぁ。
お陰で、困ったのは桜ちゃん。
俺の顔色を伺いながら、戸惑ってた。
亨に助けを求めて……………
結局桜ちゃんと二人で手を引いて
かなは歩いて何処かに消えたんだ。
その後の俺達二人は……………ホントに大変だったんだぞ!
大人の男二人で、遊園地を回っているシュールな絵は
他のお客さん達の目を引いたらしくて………。
何とも言えない眼差しを送られたよ…………。
もう、最悪だった。」

俺の話しに、想像したのか。

突如、可笑しそうに笑い始めた。

「笑い事じゃないって~
ワガママ姫のお陰で
初日の俺達の想い出は…………最悪だったんだからな!」

少し大袈裟に言えば

「知ってる!
それを桜と二人で見てたんだもん。
桜に言って、写真撮ってたんだぁ。
亨さんが昔
『亨ちゃん』って呼ばれてたのも…………。
はぁちゃんと二人でいたら、納得がいったよ。
だって、ちょっと可愛いかったから。
文句言いながら…………
二人でジェットコースターに乗ってはしゃいでたりね!」

クソ!

ホントに観察してたなぁ。
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