放課後の続き
「はい。」

テーブルに、コトンと音が響く。





観念したかなを連れて、ホテルのケーキを注文すると

部屋に帰って届くのを待つ。

今日は多岐さんがいないから………

コーヒーは自分で淹れるしかない。

今日のケーキの気分は…………。

さっきまで、フルーツいっぱいのケーキを注文するつもりだったけど。

これからじっくり話し合うことを考えると……

頭が冴えそうな、カカオ強めのザッハトルテにした。

食欲が沸かないと答えたかなの分は………。

残しても俺が食べられるように

さっき悩んで諦めた、フルーツいっぱいのケーキにした。

「食べながら話そう。」

ケーキを前に、お預けが耐えられそうにない俺は。

かなの反応を待つことなく、サッサと食べることにした。

甘さ控えめの美味しいケーキは………。

普段だと『そっちの、一口頂戴!』と言って半分こし

二人分を美味しく頂くんだけど。

さすがに今日は、素直に自分のを食べることにした。

一人1個なんて…………俺からしたら有り得ない個数。

せっかく多岐さんの目を盗んで食べられるチャンスなのになぁ………。

一人ケーキに頭を飛ばしていたら…………
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