放課後の続き
貴文の説明によって、大まかには理解した二人。

「悪い。
かなはこのまま連れて帰るわぁ。」

俺の言葉に、目に見えて固まるかな。

かなのご両親には、前もって許可をもらっているため

かなの味方はいない。

涙目のかなは、しぶしぶ俺について来る。

『圭哉さん、一応願いが叶ってお見合いは壊せたから………
成功ですね。
失敗してごめんなさい。
でも……………成功ですかね?』と残して。

かなが、かななりに見合いを壊して

俺のところに来ようとしていたのは分かる。

以前のように、別れを選ばなかったことだって嬉しい。

俺との約束を、信じてくれている証拠だから。

…………………けど。

『圭哉さん』と呼ぶのは、許せない。

そう呼びながら、二人で会って相談していたとなると

尚更、腹が立つ。

「…………………………はぁちゃん。
怒ってる………………よね??」

オドオドしながら声をかけてきた。

引いていた手に力を込めて、引き寄せた。

はぁ~っ。

やっと帰ってきた。

お仕置きだと凄んでいたが。

久しぶりのかなの姿を見たら、どうでも良くなった。

「かな、一緒になろう。」

ここがホテルのロビーで

ムードも何もないところでのプロポーズだけど………………

気にならなかった。

それよりも、一日でも早く一緒になって安心したかったんだ。
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