放課後の続き
どれくらい泣いていたのか………

涙が尽きた頃

俺の存在に気づいて、振り向いた。

何と声をかけたらいいのか、迷った俺は。

「歩ける?」と聞いていた。

俺の質問に、頷く夏苗ちゃんを連れて

近くのコインパーキングまで歩く。

「乗って。」

助手席のドアを開けて呟く俺に

固まる彼女。

そりゃあ、そうだろう。

普通、知らない男の車に

平気で乗る女の子は、いないよなぁ。

誠次に連絡するか、亨に連絡するか悩んでいたら。

「……………………………濡れてるから………………。」と。

警戒しての行動でないことに、驚く。

「バスタオルを敷くから、大丈夫だよ。」と伝えると

素直に乗り込む彼女。

ホントに、大丈夫だと思っているのか?

自棄を興してないかと心配になる。

彼女の心理が知りたくなって

「何処に行きたい?」と聞いてみた。

「………………………えっ?!」

そんな質問があると思ってないような返事が、返ってきた。

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