放課後の続き
着替えと、当面ウチで預かる事を伝えるため。

俺は、貴文に連絡を入れた。

「悪い。
何も聞かずに、つき合ってくれ。」

まだ仕事中の彼に

「貸しは高いぞ!」と脅されながら

夏苗ちゃんの家の前で、落ち合うことにした。





「夜分遅くから、すみません。
……………………誠次です。」

誠次の登場に、怒りを露にする夏苗ちゃんのお父さん。

今にも殴りかかりそうになりながら………

後ろに控えていた

仁科貴文と俺の存在を確認し。

表だっての怒りは、おさめた。

「……………おじさん。
夏苗ちゃんの事…………
本当に…………すみませんでした。」

土下座して謝る誠次。

戸惑う父親に貴文は………

「夏苗さんは今…………
私の友人で医者の、彼の自宅に保護させて頂いております。
今は、誠次君と近い自宅に帰るのは……辛いと思うので…………。
心が休まるまで、彼のウチで過ごしては?と思い
来させて頂きました。」と。

「…………………………しかし…………。
…………夏苗は、どうしているのでしょう?」

言いたいことも、戸惑いも………

色々あるとは思うのだが。

貴文自ら出向いての申し出に、言葉が出ないようだ。
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