放課後の続き
「夏苗さんは、長い時間雨にうたれていましたので……
高熱を出されて、今は点滴をしています。
移動も難しく
私の病院に入院することも考えたのですが………
心が落ち込んでいる今
私の家族が見守っている方が安心だと判断し
私の自宅で休んでいます。」

俺の説明に

俺の家族も一緒にいるのだと分かって、表情が穏やかになる。

「申し遅れましたが………
私、竹内春人と申します。
以前………仁科さんに紹介して頂き、一度ご挨拶をさせて頂いてます。
仁科さんの奥様のご紹介で
来月から、夏苗さんの高校で保健医を勤めることになっています。
………………実は
誠次を通じて、夏苗さんと面識があり
街で雨にうたれている夏苗さんを、偶然見つけて
保護させて頂きました。
熱も高く
このままでは肺炎を引き起こしてしまう恐れもあるので……
体調が回復するまで、私の方で預からせて頂けないでしょうか?」

俺の嘘を交えた説明を信じた父親は………

「そうでしたか……………。
ご迷惑をおかけして、申し訳ありません。
ですが…………
それなら尚更……………ご迷惑は……………。」と尻込みしている。

夏苗ちゃんの心を守りたい俺は。

「実は、この誠次は………
私が家庭教師をしたり、野球を教えたりと
弟のように可愛がっていたんです。
なので………
コイツが夏苗ちゃんを傷つけたのなら
私に責任をとらせて欲しいのです。
本来は、誠次が償うべきなのですが………
今は、誠次の顔を見るのも辛いと思うので。」
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