放課後の続き
まだ、土下座中の誠次に………

「誠次君、頭を上げて下さい。
君が悪くないことは、知っているんだ。
夏苗が勝手に恋をして、失恋したことも…………。
ただ………親としてはね………。
なるべく泣かさずに、失恋を受け止めさせて欲しかったと………
恨み言の一つも言いたくなるんだ。
だけど、
仕事にかまけている両親よりも
自分の事を一番に考えてくれている誠次君に
憧れて、信頼していたのも知っているんだ…………。
誠次君がいてくれたから
ここまで頑張って、素直に育ってくれたんだと思うんだ。
だから、君には感謝しているんだよ。
竹内さん。
そんな親でしたから…………
いざこんな風に、夏苗が助けを求めても…………
どうやって救ってやれば良いのか、分からないんです。
お恥ずかしい話ですが…………
夏苗の事を、お願いします。」

そう言うと

彼女の身の回りの物をまとめて、持たせてくれた。

「しっかりと、お預かりします。」

深々と頭を下げ

貴文と一緒に、山本家を後にした。
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