放課後の続き
「驚いた?」

からかうように聞くと

「私を拾った時には
もちろん決まってたんですよね?
…………………………………………意地悪です。」と返された。

彼女にしてみたら

自分の制服で、俺が勤める学校だって気づいたはずだから

教えてくれたら良かったのに!ってとこだろう。

けど本当は…………

拾った女の子が、たまたまその制服を着ていたのではなく。

夏苗ちゃんを探して

見つけ出して

保護したんだけどなぁ。

夏苗ちゃんのいる高校だから

ここに就職したって言ったら…………………。

微熱くらいじゃ、済まないかな?




「熱が上がると困るでしょ?
寝てなさい。
それとも、ウチに連れて帰って大きな注射する?」

子供だましのような脅しだけど…………

これが、ホントに効くんだよなぁ。

彼女は、ホントに注射が苦手。

そりゃあ、好きな人はいないけど。

大人になると、仕方がないと諦めて我慢するもんだよなぁ。

なのに彼女は、大騒ぎして

看護師さんに固定されて…………やっと点滴が出来たんだ。

おまけに、終わって顔を覗くと

目には本気の涙が浮かんでて。

『子供かぁ!』って笑いそうになるのをなんとか堪えて

医者として『よく頑張りました。』って誉めてあげたのに。

「春人さんなんて、大嫌い!」だもんなぁ。

それからは、毎日『今日はしない??』って確認して

3日が過ぎた。
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