放課後の続き
「かな。
……………おい、かな!
いい加減に起きないと、布団剥がすぞ!」

お嬢様高校の保健室に似合わない起こし方の男。

思わず俺の方が「おい!」と怒鳴りそうだ。

「う~ん。
…………………せいちゃん??」

まだ寝惚けたままの夏苗ちゃんは

乱暴な誠次の起こし方に慣れているようで………

飛び起きる素振りがない。

「おい、かな!!」

誠次の呼び掛けにようやく…………

「あれっ??
せいちゃんの筈は…………………
だって、ここは…………学校だし。
……………それにせいちゃんは……………………」

そう自分で自問自答を繰り返した後。

再び目を開けて………………………固まった。



「驚いた?」

本日二度目の台詞を吐くと

コクコクと首だけで返事をする夏苗ちゃん。

驚くと、声も出なくなるんだぁ。

よく、怖い思いをしたときや

痴漢にあうと声が出ないって聞くけど…………

驚きすぎても一緒なんだなぁ~

どうでも良い感心をしていたら

じっと俺を見て、続きを待ってる夏苗ちゃんと目があった。

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