放課後の続き
俺の用意したケーキで、少しゆっくりした後。

…………………………本題に入る。

「ねぇ、夏苗ちゃん。」

さっきまで見せていた、おちゃらけた顔とは違い。

………………医者?

…………………先生??

…………………お兄ちゃん???

とにかく

本気で心配していることが、伝わるように…………

真剣な顔になる。

「誠次のこと…………ホントに大丈夫?」

俺の質問が、以外だったのか…………

一瞬、ポカンとして

それから………くしゃりと顔が歪んだ。

「無理しなくても、泣いて良いよ。
ここには、俺だけだから………。
あのままだと、いつまでも諦められないだろうと思って………
デートなんて言って
勝手に誠次と二人きりにしちゃったけど。
夏苗ちゃんからしたら………
まだ心が受け止められる程、元気じゃなかったはずだよなって……。
…………………ごめんね。」

察しの良い夏苗ちゃんは

俺の言葉で、色々理解して。

「あぁ。」と一言呟いて。

保健室ではなく、今日俺の家にしたこと。

甘いケーキを、いっぱい食べさせたこと。

二人きりにしたことと。

全てのピースを、一つに嵌め込んでいったようだ。
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