放課後の続き
後は…………沢山泣いてくれた。

言葉にこそしなかったけれど

心の中の自分と

正直に向き合ってくれたはずだ。

「…………また目が、腫れちゃったね。」

泣きつかれた彼女を、ソファーに寝かせ。

瞼にソッと、濡れたタオルをおいてあげる。

「悲しくて、辛くて…………泣きたくなったら
いつでもおいで。
だって俺は…………
夏苗ちゃんのお医者さんなんだから。」

ホントは………

ここで、止めるつもりだった。

けど、濡れたタオルをギュッと握りしめ

堪えている彼女を見ていたら…………

「それに、お兄ちゃんだからね。」と言っていた。

……………………ヤバイ!!

心の声を、漏らしてしまった。

焦る俺とは対照的に

ニッコリ笑って

「だったら、お兄ちゃん。
携帯の番号を教えて。
泣きたくなったら、飛んで来てね!」と返ってきた。
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