放課後の続き

バレる

「楽しかったねぇ~」

「またこのメンバーで、何処かに行きたいなぁ」

「桜は、学校でバレないように気をつけないとね。」

「別に………。
困ることなんて………なにもないもん。」

「またまたぁ~
結構、仲良さそうだったよぅ~」

賑やかな3人からも分かるように

本当に楽しそうだった。

誠次の婚約から、遠ざける為の旅行だったけど………

それを忘れて、普通に楽しめた。

桜ちゃんが言うように、目に見える進展はないものの

それぞれの恋の予感と

心の変化は、あったと思う。

3人は、学生。

俺と亨は、教師である以上………

そうそう遊ぶのは、難しいが。

時々こんな時間を作れたら、いいなと思う。

「一旦今日は、お開きな。
また…………みんなの時間が許せるなら集まろう。」

俺の掛け声に笑顔で別れ

今は車に、二人で乗っている。

「……………でも、チケットが6枚って
ラッキーだったね。」

夏苗ちゃんの何気ない言葉に………

旅行のホントの意味を思い出し、緊張が走る。

結果的に楽しめたけど………

騙して、ウソをついた事にはかわりないから。

夏苗ちゃんの為だと思って始めたし。

それが最善だったと、思っているけど………

もしも彼女の耳に入ったら。

信用を無くして………

さっき誓った『ずっと一緒にいるよ。』は……………。

守られないかもしれない。

この事は…………

墓場まで持っていくしかないかなぁ~
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