放課後の続き
「誠ちゃん、おじ様おば様……………こんばんは。」

にこやかな挨拶に固まる3人と、キョトンとする璃子。

「…………………おう。」

「あらっ…………………。」

「おぉ!………夏苗ちゃん……。」

3人とも………………ヘタすぎ。

「今、旅行から帰って来たの。
春人さんやお友達と一緒に、行っていたのよ。」

「………………ヘェ。」

「……………あら……………楽しそう……。」

「…………………………。」

これでは、旅行に行ってた事を

『知ってました』と言っているのと同じだ。

…………………全くごまかせてない。

スッカリ主導権を、夏苗ちゃんに握られ

「そちらは?」と、璃子について聞かれると

「………………えっ!!」

「………………………あぁ~」

「…………えっと………」と

とうとう口ごもってしまった。

俺が、口を挟まないとダメだな。

諦めて、口を開きかけたとき。

「私、向かいの夏苗です。
もしかしたら、誠ちゃんの彼女さんですか?」と

自分から聞いていた。

「あぁ~!
貴方が、夏苗ちゃんですかぁ!
誠ちゃんの話しに、必ずと言っていい程出てくるんですよ。
可愛いくって、仕方ないみたいなの。
だから、とっても逢いたかったの!!
ホントに嬉しい。
私、昨日正式に誠ちゃんと婚約しました。
これからは、誠ちゃんと同じくらい仲良くなりたいです。」と

璃子も答える。

全てが明るみになり………

婚約の事も、俺達が隠していた事もバレてしまった。

それからは、女の子二人で一通り話し

俺がストップをかけるまで続いた。

誠次達に挨拶をして、強引に車に乗せて

俺のウチに連れ帰ることにした。
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