その支配は悪魔の果実
私はこれから日本を発つ。

近くにいれば、会うこともあるだろう。

思い出したくもなるだろう。


だから、清算するためにここを離れることにした。


小森さんには良くしてもらったのに、応えることが出来なかった。


仕事も半端に投げ出して、迷惑極まりない。


そんな私を寂しそうに笑って、送り出してくれた。


助けられてばかりだったな、、、


ドンドンドン

玄関のドアに手をかけようとしたとき、荒々しく叩く音に驚く。


「佐野さん?いますか?寺川です。」

ドアを叩くなんて、、、余程慌てる出来事があったのかな

静かにドアを開放すると、初めて見るそのなりにまたしても驚嘆する。


「あ、あの、、、寺川さん?」


「はあ、はー、、、良かった、まだいた。」


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