その支配は悪魔の果実
私って、わりと単純だったんだ。

にしても、普通に話し合えば済むんじゃないのかな?

そこまでして言いなりになる必要あるわけ?

結果的には、結婚することに変わりはない。

浮気相手を雇ってまで、社長は一体何をするつもりなんだろう。

別に私じゃなくても、社長なら喜んで引き受けてくれる人、たくさんいるはずなのに。

裏の顔を見せなきゃ、顔もいいし、背は高いし、スーツ着てても分かる位筋肉質だし、黒縁眼鏡は出来る男の裏付けみたいに似合ってるし。

そーいえば、本性知ってから笑顔がない。

あの、眩しい笑顔好きなんだけどなー。

低くて通る声も、切れ長の目も、しなやかな指も、、、目尻の黒子も色気を際立たせてて。


「、、、おい!なんだよ?そんなにジロジロ見て。」

「あ、、、!なんでもないです。」

「へぇー。そんなに目を潤ませて?なんでもないわけ?」

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