その支配は悪魔の果実
朝からクライアントの名簿とパソコンと格闘中。
営業職だったから、人の名前と顔を覚えるのは容易い。
ただ、上層部との面識はほとんどない為、あらかた一から覚え直しだ。
「佐野さん、手をとめて社長にコーヒー出して来てくれる?」
「はい、かしこまりました。すみません」
集中して忘れてたけど、在席時は10時と15時の二回、コーヒーを出すようにと初日に申し送りがあった。
次からは気をつけないと。
コンコンコン。
「失礼いたします。」
「んー。なに?」
視線と手はパソコンへ向けられたまま。
邪魔をしないように、デスクの端の方にコーヒーを置いた。
「コーヒーをお持ちいたしました。では、、、」
「まあ、待て。休憩するから付き合えよ」
「いえ、コーヒーをお出ししたらすぐに戻ることになってますので」
「社長命令だ。寺川には内線しておく」
社長は私の返事も聞かずに寺川さんへ内線し、少しの間借りると話した。
営業職だったから、人の名前と顔を覚えるのは容易い。
ただ、上層部との面識はほとんどない為、あらかた一から覚え直しだ。
「佐野さん、手をとめて社長にコーヒー出して来てくれる?」
「はい、かしこまりました。すみません」
集中して忘れてたけど、在席時は10時と15時の二回、コーヒーを出すようにと初日に申し送りがあった。
次からは気をつけないと。
コンコンコン。
「失礼いたします。」
「んー。なに?」
視線と手はパソコンへ向けられたまま。
邪魔をしないように、デスクの端の方にコーヒーを置いた。
「コーヒーをお持ちいたしました。では、、、」
「まあ、待て。休憩するから付き合えよ」
「いえ、コーヒーをお出ししたらすぐに戻ることになってますので」
「社長命令だ。寺川には内線しておく」
社長は私の返事も聞かずに寺川さんへ内線し、少しの間借りると話した。