その支配は悪魔の果実
「俺も部屋まで行くよ」

「大丈夫ですよ。すぐだし、社長はここで待っててください」

「、、、分かった。」


だって、ついて来たら部屋の中どころか、用意してる下着まで見られるもの。

それはさすがに無理。

二階にあがり、部屋の鍵を開けた。

その一瞬をつかれ、私目掛けて走り寄るマスクに黒ずくめの男。

そのまま部屋へと引きずり込まれる。

ヤバい。

油断した。


後ろから両手を押さえられて、口を塞がれる。

自由を奪われて助けも呼べない。

どうする?

黙ってたらやられる。

なんとか、なんとかしなきゃ。

怯えてる暇なんかない。

「騒ぐなよ。忠告を無視したおまえが悪いんだからな。」

気持ち悪い。マスク越しなのにかかる息にゾッとする。

ごそごそとポケットのなかを漁りだした。

今なら隙がある。


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