その支配は悪魔の果実

会社を出ると、私を待つ後ろ姿。


「小森さん、お待たせしました。」

「お疲れ様。大丈夫でしたか？」

「はい。これからよろしくお願いします。」

「こちらこそ、よろしくお願いします。」



私は公私ともに小森さんのパートナーになる。

小森さんは前々から綿密に計画を練って、コツコツと努力を重ね、新しい事業を展開した。


「本当に良かったの？僕はまだまだ駆け出しで、この事業も上手くいくとは限らない。佐野さんに苦労を背負わせることになるかもしれない。」


「小森さん！」

「はい、なんでしょう？」

「一緒に頑張りましょうね。大変でも二人で乗り越えていけますよ。」

「ははっ。佐野さんは頼もしいですね。」

「それから、その、、、恋人になる話なんですけど、、、」

「あー、それは無理しなくてもいいです。いつか、佐野さんがそう思える日が来たら、教えてください。」

「はい。ありがとうございます」