死にたがりのブルース
8時50分。
課長が会社に向かうと俺や後輩、複数の社員が出勤している。
誰かがチラッと顔を出し、課長を手招きした。
「うわ、あれ社長じゃん」
課長を手招きしたのは、現場には滅多に姿を見せない社長だった。
他の社員はパソコンを立ち上げたり書類に目を通していたりしていて、誰も社長の存在に気付いていない。
俺と閻魔大王は浮遊しながら、廊下を歩く2人の後をついていく。
やがて小さな会議室に辿り着いた彼らは、椅子に腰掛け神妙な面持ちをしていた。
静寂に包まれた空気を、社長が口を開き破る。
「……で、前田くん。この間話していた現場を纏めるリーダー兼、君の補佐役の話だが……」
「はい、部下を纏める者の話ですね」
へー、そんな話が出てたのか。
まぁ確かにここ数年で社員は増えたし、課長1人で相談役や間を取り繕うのを担うのは、負担になってきているのだろう。
社長が、重々しく言葉を紡ぐ。
「その役を任せるのは本当に、佐原くんで良いのだね?」
…………え、俺?
課長が会社に向かうと俺や後輩、複数の社員が出勤している。
誰かがチラッと顔を出し、課長を手招きした。
「うわ、あれ社長じゃん」
課長を手招きしたのは、現場には滅多に姿を見せない社長だった。
他の社員はパソコンを立ち上げたり書類に目を通していたりしていて、誰も社長の存在に気付いていない。
俺と閻魔大王は浮遊しながら、廊下を歩く2人の後をついていく。
やがて小さな会議室に辿り着いた彼らは、椅子に腰掛け神妙な面持ちをしていた。
静寂に包まれた空気を、社長が口を開き破る。
「……で、前田くん。この間話していた現場を纏めるリーダー兼、君の補佐役の話だが……」
「はい、部下を纏める者の話ですね」
へー、そんな話が出てたのか。
まぁ確かにここ数年で社員は増えたし、課長1人で相談役や間を取り繕うのを担うのは、負担になってきているのだろう。
社長が、重々しく言葉を紡ぐ。
「その役を任せるのは本当に、佐原くんで良いのだね?」
…………え、俺?