死にたがりのブルース
死んだ、俺は死んだんだ。


(でも、なぜ意識がある? 自我があるんだ?)



眼前に広がる暗闇の中、動くはずもない頭を左右に揺らし辺りを見回す。


「ここ、は……死後の世界、なのか?」


不思議なことに声も発することができた。


宇宙を佇んでいるような、地に足が付かない不気味な空間がただジッと身体に纏わり付いてきて、とても鬱陶しい。



なんだ、死んだ後も生きている時となんら変わりないじゃないかと不満を抱いていると。



「君が佐原 智一かい?」



目の前にヌッと少女が現れた。



「うおっ!」


驚き尻餅を付くと、ツインテールをした謎の少女がケラケラ笑う。


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