死にたがりのブルース
「優子! そこから離れろ!!」
いくら叫んだところで、死んだ俺の声は携帯を弄る彼女には届かない。
頭上を見上げると、マンションの屋上に、ゆらりと揺れる大きな影が現れた。
「あ、上を見てごらん。もうすぐ飛び降りる君がいるよ」
ケラケラと耳にこびりつく不愉快な笑い声を上げる、金髪少女。
「そんなこと、分かってるよ!」
優子は真剣な顔をして携帯でメッセージを作っており、頭上にある異様な影には気付いていない。
マンションに戻らずこんな場所で一体、何をそんなに頑張ってメールを打っているんだ?
バクバクと嫌に高鳴る心臓を抑え、上から優子の携帯を覗いてみると、そこには。