死にたがりのブルース
会議室から出た後、気合いを入れ直すために自動販売機でコーヒーでも買おうかと思い、鞄を漁るも。
「ヤバイ、財布無くしたの忘れてた」
そうだ、昨日の夜に居酒屋を出た後からどこかに落としたんだっけか。
顔がサーッと青ざめていくのを感じていると、課長が内線用の電話を片手に俺の名を呼んだ。
「佐原くん! 入り口の受け付けから内線で、君に来客が来ているそうだ。今すぐ受け付けに向かってくれ」
俺に、来客?
「はい、分かりました」