死にたがりのブルース
「あははっ。マンションから飛び降りる勇気はあるくせに、意外にビビりなんだね」



なんだ、コイツ。


やらたと耳尖ってるし、気持ち悪いな。


いや、目はクリクリしてて顔はかなり可愛いけど。




「お、お前は誰だ? まさか俺を天国に誘導する天使とかじゃねーだろうな」


半信半疑でそう尋ねると、幼女は再びケラケラと笑い出した。



「そんな訳ないじゃん。僕は君を死後の世界へと導く閻魔大王の分身だよ。まあいわゆる子分ってやつ。天使じゃなくて、残念でした」


「はっ? 閻魔大王……?」


ロリで僕っ子で、しかも閻魔大王サマだと?


よくよく彼女を見てみれば、頭からは不自然な角が聳え立ち、背中からは黒い翼と白い翼がニョキニョキと生えていた。



とんだファンタジー世界に巻き込まれたもんだな、と言いそうになる内心を抑え、訝しげに俺は口を開く。




「じゃぁ、さっさと地獄にでも何処にでも連れて行ってくれ。俺はもうこの人生を早く終わらせたいんだ」
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