【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
「お前ら…ほんと、ぶっ飛んでんな」
泉はそう言い笑った
「杏ちゃんのこと少し聞いたよ。事情あるみたいだけどさ?そんなのどうでもいいよ。泉が守りたいなら守ろう!」
「ワガママだと思いませんから。常にチームを最優先して何年も引っ張ってきたのは貴方です。貴方だからみんな付いて来たんです」
「俺…女は苦手だけど、泉が守りたいと思う奴なら、俺も頑張るから…。俺ら頼りないけど、泉の負担減らせるようにもっと頑張るから」
「俺らの総長はお前だけだよ。総長命令でもなんでもしやがれ。俺たちも、あいつを引きずりこむ手伝いしてやるよ」
……
「命令じゃない。お願いだ…
俺と一緒に、杏を守ってくれ」
こんなん聞いて断れへん
なんであたしの為にこんなことが出来るん?
これからもいっぱい嘘ついていかなあかんのに
烈火には入れへん
あたしは嘘つきやから
嘘つかな自分を保てへん。偽りの自分でいい。
決めたから
嘘つきや…
ほんま、泣いてたら嘘つく意味ないやんか