【全巻完結】愛は惜しみなく与う①


「ってゆう事なんだが……今ここで返事しろよ」


へ???

閉じていた目をうっすらと開ける
目の前には泉の顔が…


え?なになに?この状況何?


「途中から起きてたろ?」

「あたし…」

「鼻水の音が聞こえてんだよ!きたねーな」


えええ?ほんま?我慢してたんやけど!涙はでてたけど鼻水はでてへん!

嘘だよバーカ

朔は笑う

なんやねん。泣いてたのもバレてるやん



「もう、嘘つくなよ。杏はどうしたい?俺は、杏に烈火に入って欲しい。お前は?」


寝転ぶあたしを囲む5人


「あかんねん、あたし…泉には言ったけど、2年しかここに居れへんねん。それに…いっぱい隠してることある」


「杏ちゃんが物凄く喧嘩が強いってこと?」

慧はそんなの気にしないよと言う
違うねん


「それもやけど…でももっと色々…隠してる。言えへんこといっぱいある」


「だからどうしたんですか?誰か言えと言いましたか?」


「…言ってないけど」


言えなんて言われてないけど、でも



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