【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
その泉が杏ちゃんをみて、哀しそうって言ったんだね。
あんなに気が強くて肝が座ってる子を…
俺にはそうは見えなかった。でも泉が言うならそうなんだ
「女だからとか言うと、どうしても反対したい気持ちになる。俺もだ。泉に女はいらねぇ!そう思う。でも…
俺たちも同じように救われたろ?俺たちの事も泉が見つけ出してくれた。そうやって居場所を与えてくれた。
誰彼構わずそういう事をする奴でもないし、烈火以外には凄く冷たい男かもしれねぇ。
でも…
泉が救ってやりたいと思ったなら、杏をひとりの人間として考えてやろうと俺は思う」
思った通り。朔はぶっ飛んだことを言うね
それってつまり…
「泉がもしそう言ったら、俺たちも受け入れろってこと?だよね」
そーゆうことだよね
まぁ…今の朔の話をきいて、断る人は俺たちの中にはいないと思う。
「泉は…ずっと我慢してくれてましたしね。烈火をずっと守っていました。泉の守りたい人は、私も守りたいと思う」
新はそうだよね。新も泉に救われた
そうなんだよ。俺たちはあいつに新しく生きる意味を貰ったんだ