【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
騒ぐ先生を泉と慧が追い出して、ようやく生徒だけの昼休みが始まった。
「杏さん、宜しくおねがいします」
みんなが声をかけてくれる。泉は朔と響を呼びにいくために屋上へ行った。
ところで…
「なんでみんな敬語なん?」
そう。全員が敬語使ってくる。たしかに泉と同い年やけど、みんなには言ってへんで?
「あ、いや、だって泉さんの彼女でしょ?」
え?
「泉さんが守りたい女性って、そういう事ですよね!?!」
目をキラキラさせて尋ねてくるヤンキーくん達
えっと…
「彼女ちゃうで?」
うん、違う。泉はほっとけへんかっただけや。
ええ?とまさか…と呟くヤンキーくん達
「杏ちゃんは、まだ誰のものでもないぞ」
会話を聞いていたのか慧が後ろから飛びついてきた。まだって…
「俺たち全員と一晩…いや、二晩は夜を明かしたけどね」
「誤解招く言い方せんといて!あんたらが駄々こねて勝手に泊まったんやろ?」
少し卑猥に聞こえる慧の発言は訂正しておく