【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
血の記憶
晴れた!よく晴れた!
あたしは女やけど、喧嘩は大好きやった。女らしくないと何度志木に怒られたか…
懐かしい
ただ今回はお留守番
朝から全員叩き起こして顔を洗わせる。あたしにしたらデビュー戦は先延ばしやけど、倉庫を守るってゆう役割があるしな!
信じて待とうと思う
「杏ちゃん、倉庫のことよろしくね」
「任せて!誰か来たら蹴散らすわ」
頼もしいなぁと笑う慧。朔は朝からテンションが高め
響は…やっぱり何かおかしい。
昨日風呂場で怒鳴った時は普通だったけど、元気がないな
「杏?ちょっといいか?」
ん??
泉に手を引かれ少しみんなから離れる
「今日、俺らはB区の廃校に行く。杏と響を倉庫に残すけど、もし何かあったら、すぐ連絡してほしい」
「……と言いますと?何かありそうな嫌な予感でもすんの?」
こういう時の総長の勘というのは、当たってしまうものだ。用心に越したことはないと言う。
俺は喧嘩してたら電話気づかないかもだから、と泉と新の番号を聞いた
用心ね…