【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
「母親は、俺を男として見るようになったんだ」
…え?
「襲われそうになって初めて俺は母親に抵抗して、そして殴った。そのあと家を飛び出したんだ。
逃げ出した事は、自分を解放させてくれたけど、母親を殴ったことは後悔していた。あんな事されても、あの人は一応母親だから。」
……あの人は一応母親か
あたしも同じ事思ったことは何度もあるな
腐ってもあれは、あたしの親なんだと
「で俺は、少しヤンチャするような中学生になって、割と楽しく過ごしていた。仲のいい友達の所に泊めてもらったりしていた。相変わらず女は怖かったけど、今ほどではなくて…
そんな時、あの…さっきの女に出会ったんだ」
ここから聞く話は壮絶で、心の準備無しに聞くのは、あまりにも辛かった
さっきの女は椿という名前らしい
椿は、響の5歳年上らしく、響がよく行くコンビニの店員だったそうだ
まぁ当時は綺麗な人だなくらいにしか思わなかったらしい
しかし事態は急変する
ヤンキーなんて無縁だった響は、黒蛇に拉致されたという。
突然のことで理解もできず、ただただ殴られて、そして車に乗せられたらしい
怖かっただろうな