【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
「だとしても、俺は行動して後悔なんかしていない。杏が怒ろうが喚こうが、守れる最善を尽くすだけだから」
な?そう優しくあたしの手を握る
あたしの考えが甘かったんかもしれへん。こんなにも既に近くまでに入り込んできてるなんて
「お願い…居場所なくなって欲しくないねん。スコーピオンに関わったら、烈火が無くなっちゃうから…だからお願いやし放っておいて」
涙が止まらない
あの日のことを思い出す
全て失ったあの日を…
「烈火はそんなに脆くない」
「そんなん関係ない。あの男が西に居るかは確かではないけど、きっとこのままなら、あかん事がいっぱい起きる」
「杏、よくきけ?」
え?今度は何?
「スコーピオンは杏を監視してる」
や、何ゆうてんの?
あたしを監視?
まだ言うべきではなかったけど。そう呟いてあたしの手を引き歩き出す
泉はそこまでスコーピオンに近づいてしまってるん?
ありえへん
なんでみんな傷つきにいってしまうんやろ