【全巻完結】愛は惜しみなく与う①

「だとしても、俺は行動して後悔なんかしていない。杏が怒ろうが喚こうが、守れる最善を尽くすだけだから」


な?そう優しくあたしの手を握る

あたしの考えが甘かったんかもしれへん。こんなにも既に近くまでに入り込んできてるなんて


「お願い…居場所なくなって欲しくないねん。スコーピオンに関わったら、烈火が無くなっちゃうから…だからお願いやし放っておいて」


涙が止まらない
あの日のことを思い出す
全て失ったあの日を…


「烈火はそんなに脆くない」

「そんなん関係ない。あの男が西に居るかは確かではないけど、きっとこのままなら、あかん事がいっぱい起きる」


「杏、よくきけ?」


え?今度は何?




「スコーピオンは杏を監視してる」




や、何ゆうてんの?



あたしを監視?


まだ言うべきではなかったけど。そう呟いてあたしの手を引き歩き出す

泉はそこまでスコーピオンに近づいてしまってるん?


ありえへん


なんでみんな傷つきにいってしまうんやろ

< 210 / 425 >

この作品をシェア

pagetop