【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
結局あたしの家に3人で戻ることになった。
まぁちょっと空気が悪かったしな?部屋汚いし
そしてポケットで再び携帯が震える
…志木か
今は2人おるし、あとで掛け直そう。そう思って、一度切ったかが、すぐにまた掛かってくる
いつもなら、あたしがこうすると、折り返しの電話を待ってくれるのに
緊急?
「ちょ、電話していい?」
「あぁ」
泉はチラっとこちらを見ていた
少し離れて電話を取る。
志木からの緊急の連絡は、嫌な予感しかしなかった
「なに?」
『杏様…すみません何度も』
「ええで?どうしたん?」
『蘭様が…家に戻られて、会わせろと…私達では押さえ込むことも出来ずに…。会わせないなら死んでやると言ったっきり部屋からでてきません』
……はぁ
そろそろやとは思ったけど、早かったな
夏くらいに一回帰ろうとしてたのに。
「今日の夕方の新幹線乗るわ。夜は家で食べるゆうといて。やし死ぬとか言うなって…ゆうといて」
あたしもこの母親に似たんやろな
心は弱くてボロボロや
ほんまに…スッと感情が消える