【全巻完結】愛は惜しみなく与う①

……





重い…


身体が金縛りにあったかのように動かない
ズーーーンと思い

やば、久しぶりに東堂家帰ってきたし、わけわからん金縛りにあってるんやわ!


んーんーと頑張って身体をよじると、ゴロンと何かが床に落ちた

ん?

よく見ると志木が床で寝ていた。
いや、正確に言えばあたしの上で寝てたのを、あたしがいま落とした


「ご主人様の上で寝るって、どーゆうこっちゃ」


志木は完璧人間やけど、寝相だけはホンマに悪い。何回も蹴られたし、殴られたし、のしかかられたし…
今も変わらず、なんやな



まだ外は暗い。早くねすぎたか


「しーき?起きてよ。寝るなら布団で寝よ」


あたしもお尻と腰めちゃ痛いねん!あんたが乗ってたから!

んーんーんーと言い起きない志木


はぁ流石のあたしも寝てる人持ち上げれるほど力はない


「しーーき!風邪引くで!しらんで!ほっとくで」

脇腹あたりを脚で突いてると志木は目を開いた



「杏が…杏がいる」



はぁ、寝ぼけてんな


「ええから、ベッドで寝るで」

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