【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
思い返すだけで鳥肌が立つ
泉が写真は全て回収してくれたと言っていたが、これで終わらないと思う。
泉があの廃墟で見つけたのはもしかしたら偶然ではないかもしれない。
「多分サトルは、泉達が見つけるはずと、思ってたと思うねん。烈火も巻き込もうとしてる」
ほんま最悪や
薔薇の時とこれじゃあ変わらへん
それに薔薇の時と違って、烈火はあたしと出会って間もない
それやのにこんな酷いことに巻き込めない
「あたし、こっち戻った方がええんかな」
「それは違いますよ」
写真のことを話してずっと黙っていた志木はハッキリ言った
「こちらに戻れば、あなたは東堂財閥の御令嬢として、生きなければなりません。それにサトルのことも…もう少し私に時間をください。何かわかりそうな気がするんです」
「……サトルのことで何か隠してない?」
志木がへんだ
何がと聞かれると答えられないけど
あたしが知らないことを知ってる気がする
「杏様は、2年あるんです。その2年さえも、東堂に捧げなくていいのです」
泉が写真は全て回収してくれたと言っていたが、これで終わらないと思う。
泉があの廃墟で見つけたのはもしかしたら偶然ではないかもしれない。
「多分サトルは、泉達が見つけるはずと、思ってたと思うねん。烈火も巻き込もうとしてる」
ほんま最悪や
薔薇の時とこれじゃあ変わらへん
それに薔薇の時と違って、烈火はあたしと出会って間もない
それやのにこんな酷いことに巻き込めない
「あたし、こっち戻った方がええんかな」
「それは違いますよ」
写真のことを話してずっと黙っていた志木はハッキリ言った
「こちらに戻れば、あなたは東堂財閥の御令嬢として、生きなければなりません。それにサトルのことも…もう少し私に時間をください。何かわかりそうな気がするんです」
「……サトルのことで何か隠してない?」
志木がへんだ
何がと聞かれると答えられないけど
あたしが知らないことを知ってる気がする
「杏様は、2年あるんです。その2年さえも、東堂に捧げなくていいのです」