【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
「その女が関わってるって思うの?」
『あぁ。慧の携帯をもってるんだよ。拉致られる直前まで一緒にいたのかと』
「なるほどね。怪しいな。泣き止ませれへんの?」
『さっきからやってる。苛立った朔が怒鳴るから進まない。朔と響を外に出したけど、泣き止まないしうるさい」
最後泉の感想でてもーてるやん
「あたしも調べて見るわ。その女の名前わからへんの?」
『名前のわかるものも、何ももってなくて。自分のことを桃って言ってたのだけだな』
桃ちゃんねー?
パソコンを叩く志木に、桃って名前の女と伝える
『あと、家はどうだ?大丈夫か?』
「うん、それとなく終わったよ。もう帰れるし急いでそっち戻るわ」
泉との電話を切ると志木が話し出す
「関東のタレコミ掲示板をみていると、関係してそうなのが2つ。A区の某小学校で、女教師が男子生徒を拉致したのを目撃。もう1つはC区で男女が歩いている時に、突然男だけ連れ去られた女はその場で呆然と立ち尽くしていたのを目撃」
「そっちや!そのC区やとおもう!」