【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
「寂しくねーよ。別に!家族がいなくたって、俺はやってこれた!側にいてくれる子がいっぱい居るから!寂しくなんか…」
寂しくなんかない
そう言おうとした時初めて、自分は寂しかったことに気がついた
誰にでも家族はいて、みんなその場所へ帰る
家族以上にはなれない
この屋上で、馬鹿みたいな話を聞いてる時は、すべて忘れられた
「急になんだよ。同情なんていらないよ。もう来ないでよ」
この3人に少し救われたけど、同情や哀れみで一緒に居てくれたのかと思うと辛かった
前に戻ればいい
いつも通りに戻れば俺は別に寂しくなんてないんだから
でも
見捨てなかったよな
「同情で毎日お前に会いに来るかよ。めんどくせー。俺らを暇扱いすんな」
え?
「家族が欲しいか?」
何言ってんだよ
家族が欲しいか?だって?
「勝手に居なくなるような家族なんて家族じゃない!!!そんなのいらない!!!」
あ…
なんだよ
俺そんなこと思ってたのか
初めて口に出した
俺の本音を