【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
俺は杏ちゃんに感謝している
あんな表情豊かな泉が見れるなんて、俺たち幹部メンバーからしたら幸せなことだ
だから
俺も思ってしまった
泉にとっての杏ちゃんのように…
俺にとってもそんな風に思える1人の女の子が現れたらいいのにって…
そう思ったから
俺は女の子を全員切った
本当に、そんな人が見つかるかは分からないけど、このままじゃダメだと思った
その中に、桃香ちゃんがいた
彼女だけ、嫌だと言った
好きじゃなくてもいいから側にいて、と
俺にこの子を突き放す権利はない。でもワガママを言うなら、ゼロからスタートしたかった
でも傷つけた
その代償なのかもしれない
今俺がここに居るのは…
「何処だよここ…」
周りにダンボールがたくさん置かれた部屋に居る。桃香ちゃんと一緒に居て…それで桃香ちゃんが、慧くんが悪いんだからね!そう泣いた後
誰かに殴られて目隠しされて連れてこられた
いや…
やらかした
手と足が縛られている
抜けれるかな。腕を動かしてみるがキツく結ばれているのか解ける気配はない