【全巻完結】愛は惜しみなく与う①

俺は杏ちゃんに感謝している
あんな表情豊かな泉が見れるなんて、俺たち幹部メンバーからしたら幸せなことだ


だから


俺も思ってしまった


泉にとっての杏ちゃんのように…



俺にとってもそんな風に思える1人の女の子が現れたらいいのにって…


そう思ったから



俺は女の子を全員切った



本当に、そんな人が見つかるかは分からないけど、このままじゃダメだと思った



その中に、桃香ちゃんがいた



彼女だけ、嫌だと言った
好きじゃなくてもいいから側にいて、と
俺にこの子を突き放す権利はない。でもワガママを言うなら、ゼロからスタートしたかった



でも傷つけた


その代償なのかもしれない



今俺がここに居るのは…



「何処だよここ…」



周りにダンボールがたくさん置かれた部屋に居る。桃香ちゃんと一緒に居て…それで桃香ちゃんが、慧くんが悪いんだからね!そう泣いた後


誰かに殴られて目隠しされて連れてこられた



いや…


やらかした


手と足が縛られている

抜けれるかな。腕を動かしてみるがキツく結ばれているのか解ける気配はない

< 276 / 425 >

この作品をシェア

pagetop