【全巻完結】愛は惜しみなく与う①

「待ってね?俺って楼帝の人に拉致られたの?」

「せや!俺は楼帝のメンバーであり、桃香の…桃香の唯一無二の兄や!!!」


まさかのお兄さんかよ


いや、俺別に桃香ちゃんに至っては何もしてないんだけどな…
鼻息荒いし話は聞いてくれなさそう


「お前が降参言うまで監禁だ!」

「ま、桃香ちゃんにはちゃんと俺から話すとして、お前烈火と楼帝、喧嘩させたいのか?」


俺の声を聞いて身体がビクッとしている


……喧嘩慣れはしてない?もしかして新人?


「うっさいうっさい!俺は楼帝の総長に認めてもらったんや!このまま関西帰れるか!」


うーーーん

楼帝の総長の葵のことは、よく知っている
でも、こんな煩そうな人メンバーにするかな?
まぁ楼帝にも煩いのは数名いるか


どうしよう
楼帝と喧嘩になれば、被害は五分五分といったところだろう

今はそんな喧嘩をしている時期ではない


泉が助けに来てしまって、楼帝とわかれば、怒るだろうな…


助けてもらうよりも、俺はどうすれば楼帝と烈火がぶつからないか、を考えるのに必死になってしまった
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