【全巻完結】愛は惜しみなく与う①
「桃香ちゃん呼んでくれませんか?」
「おめぇに桃香の名前を呼ぶ権利はない」
語尾にボケ!とついてそうな言い方をされる。
うわー杏ちゃんに少し似ている
でも男の関西弁は可愛くもなんともない!
どうしたもんか
終いには男は無言になり、なにやら同じ部屋でご飯を食べだした
えっと…どうすればいいんだろ
「どうすれば出してくれる?」
「お前が反省して、土下座かましたら、考えてやるよ」
土下座…嫌だけど、するよ?居心地悪いし
そして
交渉しようとした時
ドアが開いた
いや、開いたというか…
蹴り飛ばされたといいますか?
突然の出来事で固まる男と俺
ドアを蹴り飛ばした人物は、まさかの人だった
「え?杏ちゃん?!?」
桃香ちゃんの首根っこを鷲掴みにして、部屋のドアを蹴り飛ばしたのは、関西に戻ると言っていた杏ちゃんだった
どうしてここに?
そしておかしなことに、男は杏ちゃんをみて、口を大きく開けて指を指したまま固まってしまっている
ナンダコレ